では種類に関する事を書きましたが、今回は毛質に関して書いてみました。
取れにくい、馴染みやすいと好条件が揃っても毛質が悪いと付けていられる期間が短くなっちゃうので残念な結果になってしまいます。
まず結論から言うと日本のエクステの毛質は…昔に比べてかなり落ちてます。
エクステがピークに流行ってた頃はどのメーカーも毛質にはそこまで差がなく、どれも高品質なエクステでした。
仕入れ値も今より全然安かったし。
なのに、なぜそんなにエクステの質が落ちたのか。
そもそも、エクステってそのほとんどが
中国の知らない誰かの髪の毛です。
それを加工してエクステにしてるんですが、加工前の髪の毛を原毛と呼びます。
昔は髪の毛伸ばして売ってくれる人も多かったようなんですが、中国にも外国の文化が入って来て、パーマやカラーを楽しむ人も増え、ただただ伸ばすって人が減り、これに伴って売ってくれる人も減ったのだとか。
でもそれとは逆にエクステの需要は高まりました。
そして需要と供給は逆転しました。
エクステに適した原毛が減れば、これまでは加工対象にならなかったダメージした髪の毛を買い取ってエクステに加工するしかない。
そうするうちに質が落ちてきたようです。
加工の仕方でも毛質は変わる
エクステは大きく分けて2種類。
(A)レミーと呼ばれる超高品質なエクステと、(B)それ以外のエクステ。
レミーはカラーとかパーマなんかもしていない、若い人の髪の毛だけを加工した物で、買い取る際に女の子の髪の毛をポニーテールみたいに縛って切り取る。
その時にちゃんとどっちが根元でどっちが毛先かが分かるようにしてるので、キューティクルが一定方向に揃ってるのが特徴。
レミー以外のエクステは若い人の髪の毛も、そうじゃない人の髪の毛も、色んな人の髪の毛が混ざってます。
さほど傷んでないのもあれば、傷んでるのも。
悪い言い方をすれば、寄せ集め。
そして、それらはレミーと違ってキューティクルの向きがどっちか分からなくなってるから、キューティクルを剥がす加工をするらしいです。
※キューティクルが一定方向に揃ってないと手触りが悪くなったり、バサバサする為剥がすんだそう。
細かく分けるとこのキューティクルを剥がす加工の仕方でも質が変わるそうなんです。
安いエクステは加工料を抑える為に強い薬剤で短時間で剥がす為、ダメージするとか。
レミーはこの加工をしなくていいので、その分髪の毛に負担がかからない。
だから高品質を保てるんですね。
原毛の状態も良いし、その分仕入れ値も超絶高い…。
現在、レミーは入手困難
先ほど(A)と(B)に分けましたが、現在の日本のエクステは(B)がほとんど…。
その中からさらに質の良い物、良くない物に分けられて加工され、流通しているとの事。
(A)のレミーはあるにはあるけど、日本にほとんど入って来ていないらしいんです。
外国が日本の3倍4倍の値で買い取ってくれるとかで、ほとんどそっちに持ってかれちゃってる状況。
わずかに入ってくるレミーは超高値で売られてます。
今回色んな所のエクステ見てたら見付けたんですけど、仕入れ値高すぎて、お客様にお出しするとなったらどんなに頑張っても今の2倍!
40本付ければ3万ちょい、50本付ければ4万ちょい!
色もハイトーンはありませんでした。
そんぐらい高くてもレミーエクステ付けたい方は取り寄せますので言って下さい 笑
エクステ偽装問題
以前、食品の偽装問題がニュースになってましたよね。
実はエクステにもあるんですよね。
人毛100%をうたっておきながら、人工毛が混ざってる。
編み込みのエクステに関しては人毛100%のエクステがホンットになくなってきてる。
知らずにメーカーから言われたままに人毛100%だと思って使ってるサロンも少なからずあると思います。
人工毛ってのは今から10年近く前に出て来た物で、簡単に言うとウィッグなんかに使われてる“耐熱ファイバー”ってヤツ。
※耐熱じゃないファイバーは熱に弱く、アイロンなんかで簡単に溶けます。
今じゃ見かけなくなりました。
人工毛は巻いたりもできるけど、人毛じゃない分、人毛に比べてチョット持ちが悪い。
あと硬い。
人毛のような柔らかく滑らかな感じがないんですよね。
出始めの頃はかなり質が悪かったけど、技術が進んで、最近の人工毛はかなり傷みにくくなってきてます。
原毛の質が悪い人毛100%より、質の良い原毛と人工毛のmixの方がよっぽど持ちが良かったりします。
人工毛のmix割合も質の良い物になれば全体の10%ぐらいしか入ってなかったりしますしね。
タチの悪い物になると、人工毛100%なのに人毛100%をうたってる物もありましたけどね 笑
これ、美容師さんでも分からないひともいると思います。
僕はこれまでの経験からすぐに気付きましたけどね!(ドヤッ!笑)
まぁでも、以前は人毛100%のエクステしかなかったのに、ここまでなくなるとは正直悲しいです…。
これも時代の流れなんでしょうかね〜。
先月、これまで取引してたメーカーに再入荷があって、それから現在まではまだ在庫があります。
けど、それもいつまたなくなるか分からないので、いつでも取れるように他でも探してます。
できるだけ質の高いエクステを探していますが、それももしかしたら人毛100%が叶わないかもしれません。
近い将来、人毛はホントに貴重な物となり、人工毛がもっと進化して、人工毛のエクステが主流になってたりするのかもしれません。
そうそう、レミーって名前付けるのに明確な基準や検査なんかもないので、質の悪いエクステをレミーと呼んで販売してる所なんかもありました。
シールエクステや編み込み以外のエクステって割と簡単に付けれそうだからって、今から新たにエクステを導入しようとか考えてるサロンさんはホントに知識や経験がないとクレームの嵐なんかで痛い目に合うかもしれません。
最近色んなメーカーのエクステ取り寄せて、色々話聞いてたら、知らなかった面白いお話も聞けたりもしたけど、ほとんどの所が他メーカーのけなしあい 笑
自社のが一番って言いたいのはすごく分かるんですけどね。
分かる人はちゃんと分かるんだから、自信があるのなら
「他社のと比べてみて下さい」
って言えばいいのに 笑
そして偽装はやめて 笑
TRICOは毛質にこだわります!
現在、日本のエクステの毛質はこんな感じになってます。
これまでTRICOのエクステは高知で一番質が良いとお客様からご好評頂いてましたが、それでも(B)だったようです。
(B)の中でも質の高い物だったらしく、
「あれに近い物となるとチョット…あれが一番じゃないですかね〜」
なんて言うメーカーさんもいました。
「もっと毛質いいエクステってないんですか?」
ってまたに聞かれるけど、現在の価格じゃこれが限界。
さっきも書いたように、倍以上の料金頂けるようなら取り寄せます。
メンテナンス(編み直し)して最長8ヶ月もたせたって方がいるそうです。
エクステの種類、毛質と書いて来たので、次は技術的な所も書いてみようと思ってます。
まだ
「エクステって誰が付けても一緒でしょ?」
なんて思ってますか?
じゃまた!
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